石材分類=御影石, 写真横約=10cm

稲田石

Inada

岩石名:黒雲母花崗岩 biotite granite
産地:茨城県笠間市稲田
地質時代:中生代白亜紀
絶対年代:60-61 Ma (Rb-Sr)
地質体:稲田花崗岩
Inada granite

利用例:三井本館、DNタワー21(旧第一生命館)、最高裁判所、茨城歴史館,茨城県庁、パルテノン多摩、表慶館、日本銀行名古屋支店


片状構造がほとんどない塊状の黒雲母花崗岩で、石英が比較的白っぽく、黒雲母が少ない(3%程度)。吾国山変成岩類に非調和的に貫入しており、一部にルーフコンタクトが認められている。
石材としては東京市電敷石として東京に普及。 国会議事堂外壁材の候補だったが、選定の中で「まず最初にかなり多くの土工費を投ずる必要あり」とある(愛,1926)ほか、矢橋大理石の社内資料に「白すぎる」とあり、これらの理由から不採択になったようである。


Reference;
高橋裕平・宮崎一博・西岡芳晴(2011)筑波山周辺の深成岩と変成岩. 地質学雑誌 117, 21-31.
笹田政克(1996)真壁地域の地質 IV.深成岩類. 地域地質研究報告(5万分の1地質図幅).地質調査所, 36-81.
乾睦子(2012)国内の花崗岩石材産業のあらましと現状 ─「稲田石」を例として─. 国士舘大学理工学部紀要 5, 74-80.
愛 櫻生(1926)議院建築に使用する花崗石の選定 に就きて.地学雑誌 38, pp.391-400.